随想「ソーシャルディスタンス」

コロナ対策で、ソーシャルディスタンスを確保しましょうというのはもう、決まり文句になっていますね。

「なんかまた変な横文字を増やしよったなぁ・・・」と当初から思っていましたが、先日そのワケが氷解しました。

日本には、取り分け武道・武術界隈では「間合い」という言葉がもう何百年も前から使われているではありませんか!!コレほど的確な言葉は我が国にはありません。わざわざドヤ顔で横文字を使う必要はないでしょう。むしろ、合氣道修行者としては胸を張って「貴様、間合いが近ぅござるぞ。控えおろう!」と曰いましょう。

まあ、私もつい先日気付いたので偉そうなことはいえません。このくらいのこと、即座に返したいものです(笑

この間合い、絶対不変の距離感のことではありません。「間合いは1.5mできまり!!」なんて、週刊誌の煽り文句みたいには言い切れないものです。状況によりけり、千変万化します。(「せんぺんばんか」、Macさん一発変換できないとはなさけない・・・)

武道で言えば、相手や自分が無手か武器を持っているかによっても変わります。なんの武器かでも変わります。彼我の相対的実力差でも変わります。(ちなみに相手が相対的に強ければ強いほど、間合いはギリギリ近くに取るのが武術の常套だそうです。)

普段の生活で言えば、相手との親密度で変わりますね。知らない人に0.5mまで近寄られると、大抵の人はいずい感覚を覚えます。恋人であれば0.5mでも遠いと感じますね。楽しい会話をしていれば近くなるし、身の置き所の無いような話をされるような時はとおくなります(笑

さて、かくも深淵なるものである間合いというものですが、これは教えられるものではなくて感じて覚えていくものでしょう。ある程度の文化・民族的な定型もあるものです。そして、この大切な間合いの感覚が抜けちゃっている人が「間抜け」と言われるワケです。(私も多分にマヌケなところがありますが)逆に、この間合いを確り締められる人は「マジメ」と言われるとか・・・。まあ、語源の真贋はともかく、そのように便宜上覚えると面白くて分かりやすいと思います。