趣味が多い私、電子工作が好きなのは以前に随想で書いた気がします。
電子工作にトラブルはつきもの
さて、電子工作では回路図を引いて、計算して、部品を選定して購入して、そしてはんだ付けしていくわけですが、完成までのプロセス数はまあまあな数になります。
するとどうしてもあるのが、「完成したと思って電源を入れてみるけれど、動かない・・・」というものです。トラブルってやつですね。
トラブルはまあ、工作につきもので、起こらない様に気をつけることはしても、まずなくなりません。
初心者のうちは、焦ります。変な汗が出ます(笑
慣れてきたら、爆発や発火、発煙さえしていなければ「ああ、またか」と、電源を落としてお茶を入れて一服するくらいの余裕は出ます。
さ〜て誰のせい?
さて、トラブルを解決しようとする時に、初心者のうちにありがちなのは、「組み込んだパーツが何か不良だったのではないか?」という、「モノのせい」にする態度です。
- 抵抗器が断線しているのではないか?
- 抵抗器のカラーコードのミスプリントではないか?
- コンデンサの容量が抜けているのではないか?
- 半導体がイカれているのではないか?
- コネクタ類が端子がどこかで断線orショートしているのではないか?
ですが、工作をある程度やっていて分かったのは、「モノの不良のせいで工作が失敗することは99.99%ない」ということです。
自分のせいじゃろがい!!
言い換えれば、「全てのトラブルの元はほぼ例外なく自分にある」ということです。
- 抵抗器の値の桁が間違っている・・・カラーコードの読み間違いですね。しょっちゅうです。防ぐにはカラーを覚えるのと同時に、テスターでチェックしてから組み込みましょう。今まで1,000本くらいは抵抗器は使っているはずですが、壊れているものに当たったことはただの一度もありません。
- コンデンサの極性間違い・・・アルミ電解コンデンサは電圧次第では爆発しますから、気をつけますので、頻度は高くないかな。低電圧で油断しているとたまにある。コンデンサは古くなると電解液がドライアップして容量が減る(俗に抜けるという)が、容量が抜けているコンデンサは今まで出会ったことがありません。
- 半導体をハンダの熱でイカれさす・・・初心の頃数度やった。慣れると手際良くはんだ付けできる様になるので最近はないかな。
- トランジスタやFETの向きを間違える・・・よくあります。お恥ずかしい。だって足の名前はプリントされてないし、物によって端子の並びが違うし・・・!!(言い訳
- コネクタ類の端子へはんだ付けする時、ブリッジしてショートさせてしまう。熱を与え過ぎて樹脂ブラケットが解け、端子がグラグラになって接点不良を起こす。・・・たまにあります。入力機器をつないでいるのにうんともすんとも言わないときはまずコネクタをごじごじします。
- はんだ付けが下手くそで導通がない。隣とショートしてる。・・・一番多いかも・・・。
とまあ、書き出せばキリがないんですが、本当にトラブルはほぼ全て間違いなく自分に原因があるんです。
一般化すると
私が初心者の頃を思い出すと、以下の様な恥ずかしい心がありました。
- 原因を自分以外の外部に求める。
- 課題は一発で解決すると思っている。
- ミスやトラブルを恐れ、それらを悪いものと思っている。
ついでに言えば・・・
- 原因を探らず解決策だけ求める。
というのもありがちです。これは時間や費用対効果、効率などを求める、さらに、スマホでちょちょいとググればすぐ答えだけ検索できる現代社会では特に顕著かもしれません。
こうした態度は工作だけではなく、人生を窮屈なものにしていた気がします。
合氣道では?
さて、合氣道でも似た様なことはないでしょうか?
- 入身転換で手が切れる。相手の持ち方が悪いのではないか?
- 入身投げで相手が離れる。崩れない。相手が悪いのではないか?
- すごく強く握り込まれて動けない。意地悪をされているのではないか?
確かに、取りだけではなく、受けにも望ましい攻撃の仕方、体のあり方というものはありますが・・・
いやいやいや・・・
- 入身転換で手が切れるのは自分がちゃんと入身転換できていないだけではないか?
- 入身投げで離れているのは相手ではなく、自分ではないか?
- 相手に握り込ませる様な自己中心的な技をしていないか?
などなど・・・
合氣道でも技がうまくいかないのは99.99%自分のせいです。
0.01%はくらいは受けのせいもあるかもしれませんが、受けを疑う頻度が99.99%では意味がありません。
私も今では人に教える(というと個人的には語弊があるけれども、随想の流れ上そう表現します)立場ではあるものの、よく失敗します。もういつも「ああ、自分がへまこいてるなぁ・・・」とか「いまのはよろしくなかったですね。どうやったらうまくかかりそうですか?」なんて受けの人に聞いたりして指導(稽古??)してます。
ご遠慮なく指摘してください
「先生、効いてませんよ!!」
私の、ひいては道場の皆さんのレベルアップのためにも、是非とも指摘してくださいね。
精進あるのみです。
余談
電子工作ではパーツを疑うことができる(疑うだけで原因は自分という悲しい現実)んですが、木工では話が違って、しょっぱなから自分を疑います。いや、疑う暇もなく愕然とします。
だって、部材に墨付けして切って削ったのは自分ですから。トラブル(組み込みでサイズが合わない・・・)の原因なんてのは自分以外に疑う余地がありませんから(笑