随想「脇付」

大人になってからというか、ごく数年内のことではあるのですが、ひょんなことから手紙などをしたためる際に、宛名には脇付けを付けるのがよいということを学んだので、少し勉強しましてそのようにしております。

「御侍史」ですとか、「御机下」ですとか、すこし格が下がれば「机下」とか、同輩程度でしたら「尊下」とか。相手によって変わります。

本文の「拝啓〜敬具」とか「前略〜草々」などの頭語・結語と同じように、手紙を書く上での型と言えますね。

昔はごくごく当たり前だったようですが、昨今は宛名は「○○様」や「●●先生」で十分のような風潮ですし、学校でもその程度の習いだったように思います。

調べてみれば、日本らしい奥ゆかしくて趣のある文化だと感じたので、いままで知らなかったのを恥じながらも、「先生」とお呼びしている以上の方宛の場合は使うようになりました。

で、そろそろ年賀状(私は来年は年賀失礼・・・)の時期ですので、ネットでふと思って検索したのです。すると・・・

なんと、「御侍史」と検索して筆頭に上がるページに以下のようにありました。

「御侍史」(おんじし、ごじし)とは、秘書やお付きの人のこと。「先生に直接手紙を出すのは失礼なので、お付きの人が開けてくださいね」という意味がこめられています

「御机下」(おんきか、ごきか)は、「直接渡すのは恐れ多いので、机の下に置いておきますね」という意味

どちらも「お医者様、エライ人!」という風潮が行きすぎてしまった感じが、病院という場所の独特な空気を物語っているようで興味深いですね。

行きすぎたもなにも昔からある文化だし、お医者さんに限ったものでもないはずなのですが・・・。

検索してこんな記事が筆頭に上がるとは世も末だなぁと思ってしまった本日であります。