随想「観る目」

私は学生時代に漫研で絵を描いていました。漫画もイラストも好きですが、西洋画も好きです。

ロマン派と新古典主義は対立的に語られますが、私はどちらも好きです。ミケランジェロは彫刻が好きですし、レオナルド・ダ・ヴィンチも好きです。こうして並べてみると、どちらかというと古い様式のものが多いですね。音楽もバッハやベートーヴェン、モーツァルトが好きですからクラシック音楽のなかでもやはり古いですね。

余談が長くて申し訳ないです。

さて、絵画に限らず音楽に限らず、何でも構いませんが、皆さんは作品の良し悪しってわかりますか??こういう話をすると、「芸術は自分の好きなものを楽しめばいい。良し悪しなんてない。世間の評判に意味はない」と言われてしまいそうですね。しかし、私が今言ったのは、自分の好き嫌いとは別に、その業界で良しと言われるものと悪しと言われているものの差を観て取れるか??ということです。「じゃあお前はわかるのか!?」とさらにすごまれそうですが、いや、そういう話ではなくてですね・・・。やはりそこには「良し悪しを分ける何かと、それを観て取る目がある」のではないか?ということです。

武道の観点で考えてみましょう。あなたの前に一人の人がスッと立っています。さて、あなたはその人が危ない人かそうでない人か判別がつきますか?その人の力量を観て取れますか?判別を誤るとあなたは死んでしまうのですよ?

この世で一流と呼ばれる人は、武道家も画家も音楽家も料理人も、普通の人では考えられないような慎重さ・精度でもって、一般的には見えない・測定できない何かを感じ取り、それを評し、またそれを再現できるのだと思います。

精進あるのみですね。